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□温もりのとき
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そう思ったら、触れる衝動を止められない。
起きないように頬に手を滑らせれば、ピクッ、と小さな反応を示す。柔らかく、ツルツルの肌は触り心地がいい。
いつもは照れて触れさせてくれないのだから、こういう時に触っておかなくては。
「・・・ん・・・」
「あ・・・起きた?」
ぼんやりとした表情で、俺を見る。
うーと小さく唸り目を擦る若を見て、完全に寝ぼけているな。とすぐに判る。なぜなら・・・
「・・・ん」
「Σ!!///」
抱きついてきたから。オプションに声つき。
首に絡んでくる手を、どうしていいか判らず、固まってしまう。
うわ・・・っ、なにこのサービス・・・!!
ドキドキと高鳴る鼓動が日吉に聞こえていないかと、心配になる。
「謙、也さん・・・」
ぎゅう、と抱きついてくる日吉。
本当にどうしたというのだろうか、こんなに甘える日吉は久しぶりだ。
いや、初めてか?
頭をぽんぽん、と叩けば僅かに顔を緩める。
よっ、と小さく声をそのまま抱きかかえてベッドの上へと寝かせる。
「ん・・・?」
「眠たいんやろ?今は、ゆっくり休み」