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□子猫からの贈り物
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「・・・どいしたんじゃ、赤也。なんか用か?」
「え、あ・・・えと・・・」
歯切れの悪い赤也。
理由は簡単。
俺の腕の中に、女がいるからだろう。
まだ他の奴らにバレる訳には、いかない。
顔が見えなければいい、と思い、俺は日吉を自分の腕へと抱きしめた。猫耳は、片手で隠して。
頭の回転が早い日吉は、俺の行動に理解できたのか大人しい。
「・・・あの、丸井先輩が仁王先輩探してました!じゃ、失礼します!」
ピクッ、と腕の中で日吉が反応した。
"丸井"の名前に。
俺は、後輩の後ろ姿が見えなくなると、日吉を腕の中から解放する。
ゆるゆる顔を上げる日吉は、真っ赤だった。
「・・・照れた?」
「・・・・・・・・ちょっと」
ぼそっ、と呟くように言う日吉に、笑った。
その時・・・
「・・・な、にしてんだ?」
主役の、登場だ。
「ま、丸井さん・・・」
「・・・なんで、日吉が仁王といるんだよぃ?」
驚く日吉とは対照的に、丸井は動揺と焦り、そして少し怒りを含んだ声で俺に疑問を向ける。
全て、計算通りだ。
「のぅ、丸井」
そして、今からは・・・
「俺が日吉を好いとお、言うたら・・・どうする?」
丸井次第。