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□子猫からの贈り物
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「・・・危険じゃな」


「え?」


「いや、何でもなか。よぉ似合うとる」


「そ、そうですか・・」




はにかむ笑顔を見せる日吉の今の格好は非常に危険だ。


サラサラの髪から見える黒い猫耳に、スカートから覗く尻尾。

首には、鈴つきのチョーカー。

そして、極めつけは、メイド服。短いスカートから覗くスラリとした脚は何とも綺麗で。


・・・完璧じゃな。




「でじゃ、とにかくここの更衣室は誰が来るか判らんからの・・・裏庭にでも行くか」


「あの、部活は?」


「サボりじゃ」


「え、ダメですよ!」


「気にせんでよか、今日だけじゃ」




な。と言い、納得させるように問うと、日吉は渋々と首を縦に振った。


早う、行くかの。

見つからんうちに・・・




「・・・あ、そうじゃ。上着、着ときんしゃい」




俺は着ていたジャージの上着を脱ぎ、日吉の肩へとかけてやる。

見られたらタダじゃ済まないだろう。柳生とか柳生とか真田とか・・・




「・・・すいません。ありがとう、ございます」


「おん」




フワッと微笑む日吉の頭を撫で、また歩き出そうとした時だった・・・




「仁王先パーイ!」




聞き慣れた後輩の声が、後ろから聞こえた。




「やばい、赤也じゃ」


「切原・・・」




クセのある髪型は間違えるはずもなく、手を振りながら近寄って来る。

幸い、まだ日吉には気づいていないようだ。


―――なら・・・!





「えっ・・・」


「!?」






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