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□君の傍に
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「忍、足さん・・・」
なんでここに。
というか・・・
「(なんで、抱きしめられてる・・・)」
横向になっていた体は、忍足さんの体に包まれている。
肩に感じた重みは、顔を乗せているからだ。
「寝てる、よな・・・?」
返事がない。
「忍足さん・・・」
首に回されていた手を掴む。
触れられるのに、
温もりを、感じることができるのに、
俺は・・・貴方に何もしてあげられない。
「忍足さん・・・」
「・・・なんや」
「!なっ・・・!!」
返事がきたことに、ビクッと肩が震えた。
低い声にもドキリ、と心臓が小さく反応する。
「いつから・・・」
「・・・最初からや。ま、誰も起きとらんとは言うとらんからな」
確かに。俺の思いすごしだが・・・
「日吉」
体が、身震いした。
「どないしたん」
「えっ・・・」
「昨日、どないしたん?約束忘れた?」
「・・・・・っ、」
なんで、この人は・・・