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□コーヒー・シュガー
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甘く、温かいココアの味が口に広がり、自然と頬が緩む。
体が温かくなった。
「・・・あ、」
俺は思い出したようにゴソゴソとビニール袋の中をあさる。
目当ての物をみつけると、財前の前に出した。
「・・・なんや、コレ」
「ん?コーヒー、だ」
「持っとたんかい」
「いや、よく見ろ。俺のはココアでお前のはコーヒー」
「・・・日吉ってさ、」
出されたコーヒーを受け取り、一口飲むと、
「コーヒー、飲めへんのやろ?」
図星やろ?と続く目線にしばらく無言でいると頭だけ縦に振った。
俺は確かにコーヒーが飲めない。
「なんで?」
「・・・に、苦いだろ」
しばし無言になった。
「・・・それが理由?」
「・・・あぁ」
「・・・フッ、」
「笑うなよ・・・」
だから言いたくなかったんだ・・・!
無言で財前を睨み続けていると、その視線に気づいた財前が近づいてきた。
目の前にきたと思ったら、財前の手が顎にかかり・・・
唇に何かが触れた。
「・・・苦ないやろ」
ペロッ、と舐められる。