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□世界に一つだけの…
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『けぇ兄っ!』


『アーン?早く来いよ、若っ!』





懐かしい夢を見た。












世界に一つだけの…














『なぁ、若』


『なぁに?けぇ兄』


『あのな?四つ葉のクローバーを持ってると、幸せになれるんだぜ?』


『幸せ?』


『ああ。だから今度、俺が若にプレゼントしてやるよッ!』


『本当?約束だよ、けぇ兄!』


『ああ、約束だ』





そう言って幼かった俺達は、四つ葉を探した。


だが、四つ葉のクローバーは見つからず、小学生、中学生となっていくうちにそんな約束は記憶の片隅に眠らせていた。




「なんで今更…あんな、夢…」




そう呟いた瞬間、授業の終わりのチャイムが鳴った。

そう、さっきまで授業中だったのだ。




「めずらしいね、日吉が居眠りなんて」


「…ああ」




隣の席の鳳に言われ、俺は少しずつ、眠気を晴らしていった。



"めずらしい"

俺自身も驚いている。


それと…どうしてあんな夢をみたかも。




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