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□君に逢いに行く。
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中学、高校を卒業しても俺達の関係は未だ続いていた。
遠距離恋愛、という形で。
君に逢いに行く。
──────・・・♪
「・・・あ、」
時は、12月5日。
俺の誕生日だ、と気づいたのは同じ大学に通っている向日さんからのメールだ。
そのあとも、忍足さん、宍戸さんに芥川さん、鳳に樺地・・・と、共にテニスで戦ってきた友の名前がズラリと受信メールに並ぶ。
ただ一つ、ないのは愛しい人の名前。
高校を卒業した俺は向日さんと同じ氷帝の大学へは行かずに外部を受験し、忍足さんも大阪へと戻り医大へ通っている。
宍戸さんと鳳、芥川さんに樺地はそのまま氷帝の大学へと進学している。
跡部さんと言えば、跡部財閥を継ぐために海外へ留学したっきりだ。
俺と跡部さんは、ずっと続いている。
遠距離恋愛が。
ただ最近は忙しいらしく、連絡を取り合ったのは一週間くらい前だ。
きっと、俺の誕生日なんて祝っている暇はないだろう。