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□コーヒー・シュガー
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「・・・寒い」
「ははっ、朝に比べたらまだ、暖かい方なんだけどねー・・・」
横にいた鳳はそう言って、ハーッ、と息を吐く。
白い息が空に溶けていくのを見ながら俺はまた『寒い』と呟いた。
コーヒー・シュガー
「そもそも、なんで俺らがパシリに使われなきゃいけねぇんだ・・・」
「しょうがないよ、トランプで負けたんだし」
「・・・部室でトランプをしている事すらオカシイ」
「暇だからねー」
今は部活の時間だと言うのに、何故俺と鳳はこんな冬空の下ビニール袋を片手に歩いているのか。
理由はただ一つ。
引退したはずの先輩がトランプで勝負をしかけ、俺と鳳が負けたから。
・・・・・くだらないな。
「というか、なんで先輩達が部室にいたんだ?」
「ああ、俺が宍戸さんに鍵渡したんだー」
「・・・・・」
お前のせいか、バカトリッ!!
俺は無言で背中を叩いた。
「Σいっ・・・なにすんだよ、日吉!」
「お前が悪い」
なんで!?と叫ぶ鳳を無視し、早足で氷帝へと向かった。