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跡部様はもう部屋にいなかった
私は不安になって外へ駆け出した
走っても走っても見つからない
それでも精一杯走った
「………きれい…」
私はいつの間にか海に来ていた
少し強い風が吹いて目をつむる
「あ…」
目を開けると海には大きな船があった
「跡部様!!」
「麻希、来い!」
跡部は麻希の腕を掴み、船に引き上げた
「きゃっ」
同時に跡部の腕の中
「跡部様…」
「景吾…だろ?」
「っ…景吾っ!!」
そのまま船は陸から離れていった
ゆらゆらと波を切りながら
END