デジモン02
□Act.2
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当日
京、伊織、ヒカリ、タケルはデジモンを連れて大輔の応援に来ていた。
しかし、試合が始まっても一乗寺賢は現れず、前半が終わってしまった。
「なんで賢君いないのよー!」
「あ…あの子」
怒り叫ぶ京をよそに、タケルは先日廊下でうずくまっていた少女を見付け声を出した。
「沢木さんだわ」
「知ってるの?」
「一度だけクラスが一緒になったことがあるの」
「へぇーそうなんだ」
二人が話していると周りがざわつき始め、そこに現れたタクシーの中から一乗寺賢が出てきた。
賢は階段をゆっくり降りていく。
「本物よ!本物の一乗寺賢よ!」
京が興奮気味に叫び、その声に一乗寺賢はぴくりと反応した。
(…あいつら!)
賢は辺りを見渡しユリを探す。
ユリがタケル達とは離れた木の影にいるのを見て安心して息を吐いた。
コートに降り、大輔と挨拶を交わす。
「よろしくな」
「こちらこそよろしく」