デジモン02
□Act.1
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翌日
放課後、高石タケルはパソコンルームに向かっていた。
デジタルワールドに現れたデジモンカイザーについて話し合うために、井ノ上京から召集がかかったのだ。
(デジモンカイザーか…一体何者なんだろう。)
「あれ?」
ちょうど角を曲がろうとした時、タケルの目に入ったのは
小柄で細身の少女が廊下の隅にしゃがみ込む姿だった。
「大丈夫?」
タケルは少女に近づき、手を差し出した。
少女は肩をビクッとさせて、そっとタケルの方に振り向いた。
大きな瞳が見開かれ、怯えたような表情を見せる。
タケルほ保健室に連れて行こうと少女に手を伸ばしたが、その瞬間走り去ってしまった。
「あっ…行っちゃった」
「はぁはぁ…」
「うぅっ!!はぁ…ゲホッ」
「………賢っ……」