デジモン02
□Act.1
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カイザーはデジタルワールドのあらゆる場所を映し出しているモニターで、新たな選ばれし子供の動向を観察していた。
「フフフ…」
「…何してるの?」
モニター部屋の奥から細身の少女が顔を出し、カイザーに声をかけた。
「ユリ、起きたのか?」
「うん…」
ユリと呼ばれた少女はこくりと頷き、カイザーのもとに小走りで駆け寄る。
カイザーは微笑み、ユリの頭を撫でてから立ち上がった。
「どこか行くの?」
急に立ち上がったカイザーを寂しそうに見上げるユリ。
「ああ、ちょっと邪魔者を消しに行ってくるよ」
「…早く帰って来てね」
カイザーはもう一度ユリの頭を撫でてからマントを翻して部屋から出て行った。
ユリはカイザーが去った後もずっとドアを見つめていた。