短編

□見上げた先には
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放課後の部活。
黄色いボールが行き交い、部員たちが楽しそうに汗を流している。


そんな光景を横目に、俺はベンチに座った。



「あ、またや・・・・・」



日々の習慣とは恐ろしいもので、俺はさっきから自然と左上を見ては、自嘲してしまっている。


居るはずの人間が、今そこには居らんから。


見上げた先には真っ青に広がる空しかなくて。


朝会ったそいつは

「将棋でもしてくるばい」

なんて中学生らしからぬ発言をして行ってしまった。


そんな平気で学校をサボってしまうような奴を、何故好きになったんか。


自分でも全く分からへん。


完璧であること。
それが俺の目指していることやのに・・・・


だけど俺は完璧を求めるからこそ、自由を失ってるのは確かで。


だからこそ無意識のうちに俺は自由を探している部分がきっとあって。


千歳の自由な所が羨ましくて、輝いて見えて、惹かれてしまうのかも知れない。




自然と目線を上にあげて。




嗚呼、ほらまた。
俺は自由を欲してる。




千歳を求めてる。




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