合縁奇縁
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何事もなく、少し門の前を気にしながら通り過ぎようとしたとき、よく知っている顔が見えた。
「し、静雄さん!?」
「おー、あか。
遅かったな。」
癖なのかはよく分からないが、いつものように頭をクシャクシャと撫でてきた男、平和島静雄。
回りに群がっている人々は、その正体に気づいてないみたいだ。
なんせ、今日の格好はバーテン服を着てなく、サングラスもつけていない、ごく普通の私服だ。
「来るなら、連絡して下さいよ!!」
「したけど、繋がんなかった。」
「そうでしたか……あ、ちょっと待っててください。」
私は、少し静雄さんから離れて、ビックリしている三人に先に帰るように言った。
「今日のお仕事は、もういいんですか?」
「あぁ。
お前の部屋、家具が少なかっただろ?
買いに行くぞ。」
「はい。」
私たちは学校を去った。