合縁奇縁

□04.5
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静雄side


朝起きたら、ドア越しにトントンという音といい匂いがしてきて、昨日この家に来た少女を思い出した。


……アイツ、俺のこと怖くねぇーのか?


怖がる素振りを見せず、それよりも嬉しそうによってくるあかを見てそう思わずにはいられなかった。


「あ、おはようございます。」


部屋を出ると忙しそうに、パタパタ歩くあかは俺に声を掛けてくる。


料理が好きだから、やらせてくれと言われたのを思い出して、頼んでよかったと思う。


ずっと一人暮らしで、自分で適当に食ってきたせいもあって、次々と運ばれてくる食事は新鮮だ。


そんな事を考えていると、あかが弁当箱を2つ差し出してきた。


「ん?
2つ?」


「静雄さんはいつも上司の方と一緒にお昼食べに行かれてると聞いたので、上司の方もお弁当持ってないんじゃないかと思って……。」


少し不安そうにしながら説明してくる彼女。


弁当がいるなんて言ってなかったのに作ってくれた事に俺は、感謝した。


「おぅ。
さんきゅ。」


俺がそう言うと、ホッとした表情をして慌てて家を出て行った。
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