合縁奇縁

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「池田さん、今日遅刻ギリギリだったけど、どうしたの?」


「あかが遅刻ギリギリなんて珍しいじゃん!!
俺、もう心配で心配で!!」


「ちょっと正臣黙って。」


「私も、心配しました…。」


「ゴメンね。」


今はお昼休み。


会話は順に、帝人くん、正臣、帝人くん、杏里ちゃん、私。


帝人くんは、正臣に時々酷い。


ってか冷たい。


それをものともしない正臣はおかしいのかもしれない。


「昨日、引っ越しして家が近くなったから油断してた。」


「へぇー、引っ越ししたんだ。」


「うん。」


「言ってくれたらこの紀田正臣様がカワイイあかの為に手伝うのに。
なぁー、帝人?」


「んもー、また人を巻き込んで……。」


「大丈夫。
正臣がそうやってポイント稼ごうとしても一緒に暮らしてる彼よりカッコよくないから。」


私も、帝人くんにならって毒を正臣に吐いてみた。


「「「え!?」」」


「ん?
どーしたの?」


三人とも一斉にこっちを向いて固まってしまった


「池田さん、彼氏居たのっ!?」


「つーか、俺と言う彼氏が居ながらに他に付き合ってる男が居たのかよ!!」


「いや、正臣と付き合ってないし。」


「相手の方はどんな方なんですか?」


「んー、優しい人。
後は過保護な感じだね。
あ、言っとくけど彼氏じゃないから。」



「「「え?」」」


またもや、三人が一斉にこっちを向いて固まってしまった。


「だーかーらー、付き合ってない男と暮らしてるの!!」


「あのー、あかサン?
言ってることわかんないッスけど…。」


「正臣、頭悪いね☆」


「いや、正臣じゃなくても、分かんないから、ソレ。」


帝人くんが、頬をポリポリ掻きながら困っていたので、観念して話すことにした。


静雄さんの名前だけ伏せて。
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