短編

□傘に隠れて
1ページ/2ページ



雨は嫌い。


テンションが下がる。


もともと、雨は好きじゃなかった。


ジメジメするし、外に出ると濡れるし。


だけど、たった今“好きじゃない”から“嫌い”になった。


目の前で仲良く相合い傘をして、街中を歩く男女。


……志摩……。


楽しそうに笑っている彼に、私の声は聞こえてない。


私の好きな彼には……


彼が女好きなのも知ってた。


いつか、こうなることも分かっていた。


なのに、何でこんなにも悲しいんだろう?


自分が行動を起こせなかっただけなのに……


自分がもし行動を起こせたら、今彼の隣に私の居場所はあったのかな…?


傘に隠れて


(私は、傘に隠れて見てるだけしか出来ない。)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ