チビ姫様!
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……政宗様が執務室にいない。
俺があかを乳母に預けて、兵士たちに稽古をつけている間に執務から逃げてしまったようだ。
「政宗様ァァァ!!」
……どこにもいない。
私室も厨も厠にも……
どこにいるんだ!!
政宗様は……
「小十郎、そんなところで何をしているのですか?」
姉上は俺がウロウロしているのを見兼ねて声を掛けてきたみたいだった。
「あ、姉上。
政宗様をお見かけしませんでしたか?」
「政宗様なら、先程あかのところにいらっしゃいましたよ?」
「そうでしたか。
では、姉上。
俺は政宗様を連れ戻さなくてはいけないので失礼します。」
俺は姉上に頭を下げて、足早にあかのいる俺の私室に向かった。