チビ姫様!
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「「いってらっしゃいませ!!
片倉様!!」」
たくさんの兵士に見送られて、俺、片倉小十郎は日課の畑に向かう。
土を弄っていると、無心になれる。
日頃、戦で人を殺めている罪が少し軽くなる気がする。
まぁ、気持ちの問題だろうが。
ちょうど、一段落ついた頃に雨が降ってきた。
通り雨のようだったから、納屋で休憩する事にした。
納屋に入ると床の上にまだ生まれて間もない赤子が、スヤスヤと気持ちよさそうに寝ていた。
…なぜ、こんなところに?
多分、捨てられたのだろう。
今は戦国乱世の時代。
こんな事は、珍しくない。
捨てられた証拠に、この子を拾ってくださった方へと宛てられた手紙が添えられている。
まさか、拾った人が竜の右目と謳われる人とは思わないだろう。
いや、知っていたからこそここに捨てたのかもしれん。
……連れて帰るか。
俺は、連れて帰る事にした。
政宗様を説得しなければ……。