ペテン師の夜
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「……ん…」
「お、起きたんか。
おはよーさん。」
「……おはよ…
ゴメン、金造。
またやっちゃった。」
「俺は金造ちゃうけど…」
「あっ!!」
気付いたときにはもう遅かった。
寝ぼけたまんまで会話してて、その上学園で生活をしていると言う事もあってか、目の前の人物“志摩廉造”を“志摩金造”と間違ってしまった。
一緒のしゃべり方だったから余計に間違えたんだろう。
「悪い、志摩。」
「無理せんでもええよ。
池田さん?」
「えっ!?」
「悪いと思うたんやけど、服濡れとったけん勝手に着替えさせたえ。
堪忍してや。」
ちょっと申し訳なさそうに話す志摩は、少しいつもと様子が違うかった。
「もしかして、見ちゃった?」
「おん。
風邪ひいたらイカンと思って着替えさせたんやけど……」
「んじゃ、しょうがない。
今まで騙して悪かった。
今から話すことは誰にも話さないで欲しい。」
そう言うと、志摩は真剣な顔つきになってゴクリと唾を飲み込んでいるのが分かった。
「私の本名は池田あか。
上一級祓魔師です。
今回、この部屋で生活をしていたのは
任務で奥村燐と奥村雪男を監視するため。」
「ちょぉ、待って!!
あかちゃん、今何歳!?」
「15歳です。」
「嘘や、俺と同い年やんか。
それで、柔兄よりも位上って……。」
志摩は何やらブツブツ言っている。
「柔兄?」
「柔兄は俺の二番目の兄貴や。
そんで、さっき呼んでた金造は人違いや無かったら四番目の兄貴。」
「そっか。」
「そや、なんであかちゃんは男子寮なんかに?」
「それは、フェレス卿が萌がどうたらって。
だから、男装して男子寮で暮らせって。」
「そらまたむちゃくちゃな。」
志摩も呆れている。