ペテン師の夜
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「シュラー、暇だから相手してくれよ!!」
宛もなくフラフラしていた私が最後に行きついたのは、燐が修行している鍛練場だった。
「おい、見てわかんねーのか?
今は修行中だぞ。」
「いいじゃん。」
「真、お前祓魔塾は?」
「サボタージュだよ、サボタージュ!!」
「仮にも教師のあたしに向かって堂々言うなよ。」
堂々言う私に少し呆れながらシュラは燐を眺めていた。
「燐の様子どう?」
「まだまだだよ。
まだコントロールが出来てない。
これが出来ないと次には進めない。」
「確かに。
燐の場合、コントロールが出来ないと被害が出るかもしれないしな。」
「あぁ。
そうすれば、苦しむのはアイツ自身だ。」
……シュラは、シュラなりの心配をしているのかもしれない。
燐には普段見せない姿だけど。
「おーい、燐!!
ちょっと休憩だ。
隅っこによってろ。」
「ちょ、真!!
お前、何勝手に言ってんだよ!!」
「根詰めたって出来ねーもんは、出来ねーんだよ。
それよりも、俺らの鍛練見せた方がいいに決まってる。
魔剣同士の戦いなんざ、そうそう見えるもんじゃねーし。」
そう言うと、シュラは静かに剣を出してきた。
だから、私もそれを合図に雪羅を出す。