ペテン師の夜

□13
1ページ/2ページ



「シュラー、暇だから相手してくれよ!!」


宛もなくフラフラしていた私が最後に行きついたのは、燐が修行している鍛練場だった。


「おい、見てわかんねーのか?
今は修行中だぞ。」


「いいじゃん。」


「真、お前祓魔塾は?」


「サボタージュだよ、サボタージュ!!」


「仮にも教師のあたしに向かって堂々言うなよ。」


堂々言う私に少し呆れながらシュラは燐を眺めていた。


「燐の様子どう?」


「まだまだだよ。
まだコントロールが出来てない。
これが出来ないと次には進めない。」


「確かに。
燐の場合、コントロールが出来ないと被害が出るかもしれないしな。」


「あぁ。
そうすれば、苦しむのはアイツ自身だ。」


……シュラは、シュラなりの心配をしているのかもしれない。


燐には普段見せない姿だけど。


「おーい、燐!!
ちょっと休憩だ。
隅っこによってろ。」


「ちょ、真!!
お前、何勝手に言ってんだよ!!」


「根詰めたって出来ねーもんは、出来ねーんだよ。
それよりも、俺らの鍛練見せた方がいいに決まってる。
魔剣同士の戦いなんざ、そうそう見えるもんじゃねーし。」


そう言うと、シュラは静かに剣を出してきた。


だから、私もそれを合図に雪羅を出す。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ