ペテン師の夜
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塾も早々休んでいられないと言うように、休みは一日しかなく、次の日には再開された。
しかし、通達が回ったのか噂が回ったのかは知らないが、燐がサタンの子であると言う事が塾の皆にバレてしまって燐を自然と避けるようになっていた。
「おい、志摩。
何で燐のこと避けてんだ?」
「サタンの子やなんて、関わらんほうが身のためや。
それに俺、面倒なん嫌やし。」
机に突っ伏しながら、志摩は答えてくれた。
「ふーん。
じゃ、俺燐の所に行って来ようかなぁー。
行っても危険は無さそうだし。」
「ちょぉ、池田くん!?
俺の話聞いとった?」
「おう。
面倒になるのが嫌って言ってたじゃん。
俺さぁ、燐が隠してたのは何か意味があるんじゃないかと思うんだ。
普通、自分の親を殺そうなんて思わないだろ?」
「そうやなぁ。」
「つー事で行って来るわ。」
私は志摩の返事も聞かないまま燐の所に向かった。
「よぉ、燐。
宿題、ちゃんとやったか?
教えてやろうか?」
話しかけると燐は目を見開きながら、答えてくれた。
「あぁ、真。
ちゃんとやって来たぜ。」
「そうか。
珍しいな。」
「俺だってやるときはちゃんとやるよ!!
ってか、俺の事怖くないのか?」
「あぁ。
お前は、炎を自在に操れるよう、修行始めたんだろ?
しかも、俺はもともと知ってたし。」
「は!?
今、なんて!?」
燐は私の突然の爆弾発言にビックリして、聞き間違えかと思っているようだ。
「だから、俺はもともと知ってたって言ってんだろ?」
「なんで、知ってんだよ!!」
「それは俺がメフィスト・フェレス卿にもっとも信用されているからかなぁ。」
「なんだよ、それ。
訳わかんねー。」
「それでいいんだよ。
そのうち分かる。
それより、修行頑張れよ。」
「おぅ!!」
燐は少し元気になったみたいで、修行に行ってくると教室を出ていった。