ペテン師の夜

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フェレス卿が電話で言っていた内容、“今日は忙しくなりそう”と言う言葉。


それが気になって私は夜、眠れなかった。


そんな中、夜中に仕事用の携帯がなった。


相手はシュラ。


「………どうした?
シュラ。」


《奥村燐がサタンの子だったと三賢者にバレた。
明日、オペラ座法廷で尋問を行う事が決まった。》


「そうか。
このようだとオーギュスト卿が来ているんだな?」


《そうだ。
あたしも、明日参考人として法廷に立つ。》


「わかった。
俺はいけねーけど、お前はちゃんとお前のできることをすればいいんじゃないか?」


《そうだな。
悪いな、今寮に居るんだろ?》


「あぁ。
だから口は悪いけどな。」


《ま、しょうがねーだろ。》


にゃはっと少し笑っている声が聞こえた。


「じゃーな。
おやすみ。」


私は一方的に電話を切った。


……フェレス卿が言っていた事はこういう事だったんだな…。


燐、処刑になるのかな?


処刑になったら、任務終了で私はこの部屋を出て行かなくてはならない。


それは少し寂しいかな。


やっと生活に慣れてきたところだし。


何よりも、志摩の勉強が心配。


今は私が教えているが、一番最初の時なんか酷いなんてモノじゃなかった。


なんにも、理解できてなかったもん。


そういや、気が付いたんだけど志摩って私の同期にも居たんだよねー。


志摩金造って奴が。


この2人、兄弟だよね?


きっと。


雰囲気も少し似てるし、顔も少し似ている。


そして、名前も。


金造のお兄さんも造ってつくって言ってたし。


前のベットで寝ている志摩の名前にも廉造だから、造って入ってるし。


偶然ってすごいよね。

































(………金造はそこまで女好きじゃなかったと思うんだけど、弟の廉造の方はどうしてあんなに女好きになったんだろう?)
 

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