ペテン師の夜
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「ちょぉ、池田くん池田くん!!
お姉さん来とったでっ!!」
私が教室に入るなり、人一倍テンションの高い志摩が話しかけてきた。
「あぁ。
もう会ってきたけど……
どうかした?」
「お姉さんの連絡先教えてーな!!」
「そっちが狙いか。
教えるのは構わないけど、連絡しても出ないと思うぞ?」
「ええの!!
それでも、知っとるのと知らんのでは全然ちゃうんや!!」
「おぅ。
分かったからよってくんな。
暑苦しい。」
熱弁しながらよってくる男は暑苦しい以外何者でもない。
「ほらよ。」
私は自分の仕事用の携帯の番号を志摩に教えた。
プライベートの携帯の番号はすでに真の携帯として志摩に教えているから、こっちはどうしても教えられないのだ。
「池田くん、おおきに!!」
「姉貴の番号教えたんだから、今度ジュース奢れよ?」
「もちろんや!!」
その後、志摩が勝呂に自慢して、怒られていたのは言うまでもない。
(そういや、お姉さんと池田くん、顔めっちゃ似とった気ぃしたんやけど…双子かいな?
ま、どっちでもええけどー。
番号ゲットできたし。)