ペテン師の夜
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「おい、山田。
ちょっといいか?」
いつもPSPをしている山田を連れて、私は道具部屋に入った。
「久しぶりだね、シュラ。」
「……!?
お前、あかなのか?」
「うん。」
いつもフードを被っている山田くん、もとい霧隠シュラはビックリしている。
「久しぶりだな。
お前も任務か?」
「そう。
フェレス卿に命じられてさ。」
「しかし、よく気付いたな。」
「えへへ。」
このシュラは、実は私の友達。
私がヴァチカン本部から日本支部に移動になるまでの間、よく遊んだり、一緒に任務に行っていたりしていた仲だ。
「あー、お前髪勿体無かったな。
綺麗だったのに。」
「しょうがないよ。
男装するのに髪の毛邪魔なんだもん。」
「確かにな。
あたしはいつもフード被ってっからなんとも無いけどな。」
「そうだね。」
私は、この任務が始まる前に腰まであった髪をバッサリ切った。
ま、そんなに髪に執着するタイプじゃなかったし、また任務が終わったら伸ばせばいい話だったし。
でも、惜しいと思ってくれる人が居るのは少し嬉しかったりする。
「そういや、オーギュスト卿元気?
聖騎士になったんだってね。」
「そうだよ。
アイツ、聖騎士になったからって調子コキやがって。
ウザさ倍増だな。」
シュラはものすごい勢いで、オーギュスト卿への不満を暴露していく。
「だいだい、アイツは考え方が1つに偏り過ぎなんだよ。
もっと柔軟に考えられねーのか?」
「確かにそうだね。
でも、フェレス卿みたいなのも困るよ?」
「アイツは謎過ぎんだよ。」
「だね。
いつも意味深だし。」
気付いたら、シュラは着ていたパーカーを脱いでセクシースタイルになっていた。