ペテン師の夜

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「ふぁぁぁ、おはよー。」


「おはよーさん。」


欠伸をしながら食堂に入ると、勝呂、志摩、子猫がちょうど朝食を食べているところだった。


「なんや?
寝不足か?」


「まぁな。」


勝呂が話しかけてきたので、私は適当に話を流してご飯を食べ始めた。


すると、志摩が首のに気が付いたみたいでニヤニヤしながら話しかけてきた。


「池田くん、ちょっと首の見えてるで?」


「は?
何が?」


「キスマークや。」


「マジかよ。
いつも見えるとこには付けんなって言ってんのに。」


そう言って周囲を見回してみると勝呂と子猫が顔を真っ赤にしている。


「昨日は付いてなかったよな?」


「そうですね。」


「池田くんは、昨日寮を抜け出してお泊りいっとったんや。」


「お前、なにしとんねん。」


「まさか、池田くんが志摩さんと同じ部類やとは思いませんでした。」


子猫が半分呆れている。


「俺と志摩を一緒にすんなよ。
俺は志摩と違って、一人の女に一途だし。」


「これで話が繋がったわ。」


納得する勝呂を横に、志摩はどんどん下ネタトークに話を持っていく。


「で、昨日はどうやったん?」


「聞きたいか?」


「そら、聞いとかな損やろ。」


ニヤニヤしながら話をし始めようとしたとき、何やら横からどす黒いオーラが見えた。


「お前ら、いい加減にせぇーッ!!
朝からなんやその話題わ!!
朝にする話題ちゃうやろ!!」


どうやら、勝呂の我慢の限界を超えてしまったみたいで、子猫が止めるまで説教は続いた。
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