ペテン師の夜
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ヴー、ヴー
与えられた自室で、志摩と思い思いに過ごしていたときに、仕事用の携帯が鳴った。
「はい、池田です。」
電話に出てみると、任務に出てくれと言う要請だった。
「志摩、ちょっと出てくる。」
「こんな時間にどこ行くんや?」
時計を見れば、もう午後10時を過ぎていた。
「女のとこ。
今日は帰らねーから。」
「池田くんも隅に置けんなぁ。」
「じゃあな。」
私は適当に嘘をついて部屋を出た。
………アイツ、私が居ないからって、女の子連れ込まなきゃいいけど。
私は少し不安になった。
あの部屋は、フェレス卿のはからいによって二人部屋になっている。
隣の部屋は、勝呂と子猫の部屋になっている。
しかし、隣の部屋の二人にバレないように女を連れ込むなんて簡単なもので……。
あー、心配だ。