ペテン師の夜
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「お前、すっげーな!!」
「ねぇねぇ池田くん、暗唱のコツってあるの?」
さっき、キラキラした目で私を見ていた二人が授業終了後にやってきた。
「えっと、奥村くんと杜山さんだっけ?」
本当は任務だからちゃんと全員の名前と顔は覚えているけど、変に疑われるのは嫌だからちょっと疑問系にして聞いてみた。
「俺は、奥村燐!!
奥村は2人居るから、燐って呼んでくれ。」
「私は杜山しえみ。」
「よろしくな。
燐、しえみ。」
2人を名前で呼ぶと、嬉しそうに笑っていた。
しばらく2人と話をして、席に着くと志摩が恨めしそうな顔でこっちを見ていた。
「なんだよ、志摩。」
「いや、ええなぁ思うて。
杜山さんと仲良ぅなって。」
「志摩も話しかけりゃいいじゃねぇか。
つーか、さっき神木さんに話しかけてたことねーか?」
「なんや、見られとったんか。
出雲ちゃんはそっけないし、俺は世界中の女の子と仲良ぅしたいんや!!」
……ただの変態じゃんか。
「子猫、なんか志摩に言ったげて。」
「志摩さんは一回煩悩断ち切らなあきませんよ。」
「志摩、お前仮にも坊主やろ。」
子猫も勝呂も呆れている。