ペテン師の夜

□04
1ページ/2ページ



「お前、すっげーな!!」


「ねぇねぇ池田くん、暗唱のコツってあるの?」


さっき、キラキラした目で私を見ていた二人が授業終了後にやってきた。


「えっと、奥村くんと杜山さんだっけ?」


本当は任務だからちゃんと全員の名前と顔は覚えているけど、変に疑われるのは嫌だからちょっと疑問系にして聞いてみた。


「俺は、奥村燐!!
奥村は2人居るから、燐って呼んでくれ。」


「私は杜山しえみ。」


「よろしくな。
燐、しえみ。」


2人を名前で呼ぶと、嬉しそうに笑っていた。


しばらく2人と話をして、席に着くと志摩が恨めしそうな顔でこっちを見ていた。


「なんだよ、志摩。」


「いや、ええなぁ思うて。
杜山さんと仲良ぅなって。」


「志摩も話しかけりゃいいじゃねぇか。
つーか、さっき神木さんに話しかけてたことねーか?」


「なんや、見られとったんか。
出雲ちゃんはそっけないし、俺は世界中の女の子と仲良ぅしたいんや!!」


……ただの変態じゃんか。


「子猫、なんか志摩に言ったげて。」


「志摩さんは一回煩悩断ち切らなあきませんよ。」


「志摩、お前仮にも坊主やろ。」


子猫も勝呂も呆れている。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ