企画

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「というわけで、今日はショッピングだよ出雲ちゃん!!」

「・・・なんであたしが」


出雲の腕を掴んで私はずんずんと進む。

晴天で休日で私服といえばっ
ショッピングだ!!


しかもただの買い物じゃない。
勝呂の誕生日プレゼントを買うためのものである。


「自分の恋人のプレゼントくらい自分で選べば?」

「だって出雲オシャレだしセンスいいんだもん」

「なんであたしがあんな奴のプレゼントなんか選ばなきゃいけないのよっ」

「ねーお願い出雲ーっ
この通りっ!!」


雪男との面談で買うものは決めた。
髪留めとアクセサリーを買う。
流石にダッカールピンだけ買ってプレゼントじゃ安すぎるかな、との考慮の結果だ。

ちなみに出雲にぱちんぱちんの奴、と言ったらダッカールピンだと説明してくれた。
このオシャレさんめ!!

オシャレ番長に頭を下げ
なんとか了承してもらった隣を歩きながら店へ向かう。
出雲も女の子だから、可愛いものとか新しいものにすごく詳しいので今日は同行してもらったけど
大正解のようだ。

時々ニヤニヤと笑っているときもい、と一言言われたりしながら二人はとことこと歩いた



久しぶりに来たアクセサリーショップには、
ずらりと様々なアクセサリーが売ってて、
そこは一応女の私もテンションが上がる。


「可愛いねぇ!!
このキーホルダー可愛いなぁ・・・」


指輪やネックレス、
キーホルダーまで様々なものについつい目移りしてしまう。


「あんたは髪留め買うんでしょ」

「あ、わかってるってぇ・・・」


出雲は私の手首を掴んでづかづかと店内を進む。
確かに、時間も限られてる訳だし、呑気にキーホルダーを見てる場合じゃ無いのだ。


出雲の後ろをひよこみたいについて行きながら、
店内を物色する。
確かに色々あるけど、やっぱり女の子の付けるものが多くて、


「ピンとかあんまり派手じゃ無いものってないよねー」

「女子がつけるみたいなもんでしょ
仕方ないじゃない」


手に取るピンには
可愛い花が付いてるし、
隣のも、ストーンが付いてるし


「困ったなぁ・・・」


はふぅとため息を吐く。
近くには店もあんまり無いし
ここしか当ては無いんだけど
私は口を尖らせて小さく唸る。


「あ、これ」


手が触れてかしゃん、と音がする。
出雲と自分の視線が一点に集中して、
そこにあるのは
青みの濃い紫色のピン。


「これいいね」


私が手にとってふと言えば
出雲も、そうすれば、と小さく呟く。
ニッコリ口元を緩めて私はカゴにそれを入れる。

本命プレゼントは決まった。
綺麗な色で、勝呂に合う気がする。
後はアクセサリーだっ!!と意気込んで、
今度は私が出雲の手を引きながらアクセサリーのケースに足を運んだ。
















ちゃんと包装されたプレゼントを袋に入れて、
出雲と私は他愛もなく笑いながら帰る。
買った後も出雲と女の子らしく買い物とかお菓子とかを楽しんだ。

もう、すっかり夕方だ。


「今日はありがとねー」

「別にいいわよ」

「えへへーっ」


出雲の手をギューと繋ぐと
なによっ、と照れたように言ったけど
出雲は手を振り払わない。
それに更に口元を緩めた。


「あ、
出雲っこれあげる!!」


がさがさ袋を漁って出したピンクの包装。
訝し気に眉間を寄せて受け取ってシールを剥がして中から出す。

出雲の手の平に転がったのは
ピンクのハートのストーンが付いたネックレス。


「今日のお礼っ!!、と
出雲に似合いそうだったし買ったんだ」

「っな!?」

「あげるーっ
出雲は友達だからね!」


にししと笑えば、
出雲は自分の鞄にそれをしまった。
小さな声で


「あ、・・・りがと」


と言ったのを聞けば
私もより情けなく笑っちゃう訳で、
ついつい出雲に抱き着いちゃう訳で。


「出雲大好きっ!!」

「ばっかみたい」


携帯のディスプレイに表示された時計を見て
私はわざと、足を遅めて帰路についた。











買い物しましょ
(女の子ですもの)









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