*main(ATLUS)*

□失恋同盟
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「俺、園村と付き合うことになったんだ」
えへへ、と珍しく照れ笑いを浮かべる総一の隣で、麻希がはにかみながらにこにこしていた。
「…おめでとう、そうちゃん」
目をそらしながら言いづらそうに祝ったブラウンの後ろで、マークがただ放心していた。
「おい、もう少し考えてくれ…」
声を潜めて南条が言えば、総一はいたずらに笑った。
「考えてるさ、麻希をとられないように、ね?」
小声で返し、くすくす笑った総一に、南条は目眩を覚えてため息を吐くのみだった。
祝いたいのに祝えない複雑な心境の中、ブラウンがマークの肩をゆすったものの、マークは何の反応もしめさなかった。
「だめだぜ、こりゃ」
「おい、上杉。サルなど放っておいていい。そろそろ行くぞ」
「ちょ、南条!俺様また書類整理なんてやだかンな!?」
南条とブラウンが出ていったのを合図に、集められていたメンバーがぽつぽつと去っていった。
放心した、二人を除いて。
「Ayase、Mark?帰りませんの?」
「放っときな、英理子。時間の無駄だよ」
「はあ、Yukinoがそうおっしゃるなら…」
心配して声をかけたエリーに何も反応せず、そのままエリーはゆきのに連れて行かれるのだった。
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