*main(ATLUS)*

□だって可愛かったんだもん。
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マヨナカTVに映る白衣の姿の白鐘直斗。
だぼだぼの白衣に、ニヤリと笑った笑顔。
純粋に可愛いと、感じた。
いや、男だって可愛いやつはいると思う。
陽介や完二(見た目は怖いかもしれないが)だって、可愛い一面があるのは知っている。
いや、断じて変な意味でなく。
しかし、俺が感じたのはそんな、同性としての可愛さ、ではない。
そもそも同性としての可愛さってなんだ。
というか。
「何、きゅんとしているんだ。俺は」
しかも、やばい方の、意味で。
いつもどうりなら、ここで陽介から電話が掛かってくるはずだ。
ピピピ、ピピピ
「あ、もしもし先輩スか!?」
今日に限って完二かよ!!
変に意識するじゃないか!
完二に何か言われているが耳に入ってこない。
ああもう、なんか、一生の思い出になりそうだ。
今日のマヨナカTVは。
ああ、完二。
俺、今日からお前をからかえない。
楽しみがひとつ減ってしまった。
…ではなくてさ。
ひとまず完二イジリは陽介に任せるとして。
…でもなくてさ。
「先輩?大丈夫スか??」
「え…?あ、うん。その。大丈夫だ。じゃあ、ひとまず明日あつまろうか…」
「うス!」
俺は完二からの電話を終えると、そのまま布団にダイブした。
明日から、新しい人生が俺を待っているのかも、しれない。
一大事なのは分かっている。
分かっているのだが。
「だって、可愛かったんだよ。直斗…」
だれにしているのか分からない言い訳を吐いて。
俺は眠りについたのだった。


なんというか、頑張ろう、俺。
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