◆main(MOTHER)◆
□すてきね
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久しぶりにあった、あたしのヒーローの隣には、二つ結びの女の子がいた。
おしとやかそうな、とっても可愛い女の子。
「お似合いね」
なんてからかってやったら、ニンテンは照れたように笑ったあと、
「そんなんじゃねえ！」
なんて叫んですねてしまった。
そんなわかりやすいニンテンの隣で、女の子が目に見えて悲しそうな顔をした。
かわいそうじゃない、なんてニンテンを睨んでみたけど辛いだけだった。
家に送り届けられて、別れた時から少しだけわかっていた。
国中を旅する彼には、
出会いと別れが多すぎる、いや多すぎた。
あたしとの出会いだって、そのうちの一つでしかなくて。
落ち込む女の子の機嫌を取ろうと奮闘している彼をみて、少しヤキモチを妬いた。
うらやましくて。
にくたらしくて。
でも、ほほえましくて。
「ねぇ、ニンテン」
だから。
「なんだよ」
「あんまり正直にならないのもどうかと思うわよ」
「は、はぁっ？」
あたしの別荘に居る間は、ず〜っとからかってあげる。
それから、旅立つときはおもいきり、すてきな彼女ねって言ってやる。
きっと、あなたはあたしの強がりにはいっしょう気づかない。