黒子

□溺死
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またテツヤの歩みが止まった


でも今度は歩き出す様子がないしテツヤの顔もうつむいたまま



『テツヤ・・・?』


「永野くん・・・ちょっときてください」


『へ・・・』


テツヤの表情を伺うために近づいた瞬間すごい速さで腕を取られる


『ちょっテツヤ!?どこいくんだよ?』


俺がいくら問いかけても返事が返ってくることはない


『おーいテーツヤくーん!』


その代わりにどんどんと俺を掴む腕に力が込められていく




『なぁ痛いって!テツヤ!』




テツヤってこんなに力あったっけ・・・

そんな場違いなことを現実逃避のように考えていれば前を歩いていた背中がとまる


そこはどこにでもあるような建物と建物の隙間

路地裏というには明るい気もするが普通の通りからは影になったところ




『テツヤ・・・?』



ずっと黙ったままだったテツヤがくるりと振り向いたと思った瞬間に抱きすくめられる
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