庭球

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『で?球拾いだっけ。』


「おん」




確か四天宝寺のコートはここから離れてたことを思い出して少し急ぎ気味に準備をする



救急セットも持ったしリョーマに貸してもらったラケットも持ったしそのたもろもろマネージャー業に使えそうなものも持った



よし。完璧。



一人頷いて待たせてた財前と金ちゃんの元に駆け寄る






「ドリンクはもうええん?」



『うん。冷蔵庫にも入れてきたしばっちり!』



「・・・ドリンクってあのでっかいタンクやんな?」



『いやーそれがめっちゃ大きい冷蔵庫でさぁ・・・さすが跡部だよね』






もういまさら何が起こっても「跡部だから」で許されるような気がしてきたよ俺





「んじゃいくでー!」




金ちゃんの元気な声を聞いた俺はくるりと向きを変えてそこで死んだふりをしてるやつに話しかけた





『ほら郁斗。お前さっきからとっくに動けんだろ。さっさといくぞ?』






死んだように動くことなく倒れてた郁斗の指先が俺の言葉にぴくりと反応した


そしてそのままだるそうにのっそりと起き上がる





「・・・やっぱ奏には俺のさすがの名演技もばれちゃうかー」




『うん・・・もうお前黙れ。運動苦手だからってさぼろうとすんなよばればれだっつーの。もう何年の付き合いだと思ってんだ』







壁に立てかけてあったラケットを手に取り郁斗は俺達の方に歩いてきた
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