永遠の罪

□弐.
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「…おはじき?」
「あの女の子か?
静雄、見せてくれ。」
「あぁ。」
静雄が三人に梅のおはじきを見せる。
三人がそれに手を伸ばすと、


ーー殺してやる
誰一人、逃がさない
殺してやる
この家から誰も生きて帰さない
この家に立ち入るニンゲンに
死をーー


『!!』
「…何、今の。」
呆然とする四人の中心に静雄の手に乗った梅のおはじきは艶々と光っていた。
「…見えた、というよりも聞こえた、か?」
「うん、僕にも聞こえた。」
「俺も。」
「…どうやら、全員聞こえたみたいだね。」
「…誰かの記憶の一部みたいだったな。」
「もしかして…。」
臨也の頭の中に着物の少女が浮かび上がる。
「あの、着物の女の子…。」
「その子のかもしれないな。」
「……………幽霊みたいな?」
『………。』
新羅の呟いた声に四人は黙ってしまう。
「…一体、何が起こっているんだ。」
門田もつられたのか呟く。
「あの女の子、“この家から出さない”って言ったよな?
なら、この家から出たらいいんじゃないのか?」
「…静雄、君って唐突な点をつくよね。」
「まあ、その点に関しては俺も同感だ。
とりあえず、この家をもう少し調べてみよう。」
「そうだね。」
「…じゃあ、仏壇を調べてみよう。」
四人は別れて仏壇の中を調べる。
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