ルークとユーリの不思議のダンジョン

□ひとーつ
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「……とりあえず、お互いの状況を理解しよう。」
「そ、そうだな…;;」
暫くして漸く落ち着いた異色の声にルークも答える。
「まず、俺から言うな。
俺の名前はユーリ・ローウェル。
…元は人間だったんだ、これでも。」
自分の姿を見て再び俯く異色ことユーリ。
「ぇ、お前“も”なのか?」
「あぁ。
……て、ちょっと待て。
お前もってことは…。」
「うん、俺も元はユーリと同じ人間だよ?」
「(マジか!?)」
ユーリはルークの声に内心驚き、この事態を理解しようとしていた。
ふと、ユーリはこの姿に会う前にあったローレライのことを思い出す。
「(そういえば、ルーク・フォン・ファブレっていう奴のパートナーになってくれとかどうとか言っていたな。)
なぁ、お前の名前は…?」
「あ、そういえばしていなかったな。
ルーク、ルーク・フォン・ファブレっていうけど。」
「(ビンゴ。)」
ユーリは思わず心の中でガッツポーズをしてしまう。
「じゃあ、ローレライっていう奴を知っているか?」
「!!
ローレライを知っているのか!?」
ルークはユーリから出たローレライの言葉に驚きを隠せなかった。
「知っているも何も、俺はそのローレライっていう奴に呼ばれたんだ。
お前のパートナーになってくれって。」
「!!
ろ、ローレライがそんなことを…。」
ルークはユーリを見て顔を俯いてしまう。
ユーリはルークの突然のことに驚く。
「お、オイ…。」
「ごめん、俺のせいでこんなことになって。
お前だっていきなり俺なんかのパートナーになれって迷惑だよな。
ローレライには俺から話しておくよ、これは俺の問題だからユーリは関係ないって…、だから…」
「………。」
ユーリはルークの言っていたことに驚いた。
まだ、幼い(多分)顔から出てきた言葉に自虐とまでとはいかないが、それに近い言葉を出したのだ。
それを聞いてユーリは納得したような顔をした。
「(ローレライがこいつにパートナーが必要だっていうことがよく分かった。
俺が適任だというのも。
確かに俺はリタ曰わく“ほっとけない病”だが、こいつはそれより、自分の命を犠牲にしかねない。
こいつがどんな人生を送ったのも分からない。
けど、)」
ユーリはルークに近づき、ルークの手を握る。黒くなった己の手にルークの緋色の手は暖かく感じた。
「ユーリ?」
「いいぜ。」
「?」
「なってやるよ。
お前のパートナーに。」
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