ルークとユーリの不思議のダンジョン

□プロローグ
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やっと…
やっとこれで全てが終わる…
でも、約束守れなかった…
ごめん、みんな…
ごめん、アッシュ…

ルークは薄れゆく意識の中、己と同じ顔をして己が産まれたきっかけとなった被験者アッシュを見つめる。
アッシュの顔は既に血の気を失い、ルークは自分の体が所々消えかかっているのをどこか他人ごとに思っていた。
自分は死ぬ、そんな恐怖を抱えたまま…。

【ルーク…
ルークよ…】

不意にルークの耳に聞こえた声の持ち主がルークの前に現れる。
声の持ち主−ローレライはオレンジ色の光を纏っていた。

【これでよいのか?
本当に…。】
いいんだ、ローレライ…。
色々あってみんなに申し訳ないけど…。
【…そなたが望むなら、我がお前たちの世界へ帰すことができる。
ただ、それはどちらか一人のみだ。】
それなら、アッシュ…
アッシュを帰してくれ…
これ以上アッシュから何もかも奪いたくないんだ、だからっ…!!
【良かろう。
汝の願いは聞き入れた。】
有り難う、ローレライ…
【だが、ルーク…
私はお前にも生きて欲しいのだ。
お前は、どうしたい?】
そりゃあ生きたいっ…
生きたいさっ!!
生きたいよ!!
【分かった。
だが、汝にこれ以上罪を被ってもらいたくない…。
そこで、我はお前を異世界に出す。】
異世界…?
【そなた達のいるオールドランドとは違う世界だ。
オールドランドより平和な所だ。
だが、その世界に居る為には姿を変えなければならない。】
姿を変えるのか?
俺は構わないけど、みんなと会えないんだよな、そうなると…
【確かに汝の仲間には会えないが安心しろ。
かつて、汝の仲間だったものと敵であるが仲間になってくれるという者が既にその世界に居る。】
…どういう意味だ?
【会えば分かる。
…時間が無い、今すぐその世界に送るぞ。】
はぁ!!?
ちょっ、ローレライ!?
【我愛し子、汝のパートナーとなる者も後で共に送ろう…。】
意味が、わからな、い…。
【我愛し子、せめて次の世界では幸せに…。】

そして、ルークの目は再び意識はそこで止まる。
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