永遠の罪

□弐.
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「…シズちゃん、君って本当に男前だよね。」
「は?
そうか?」
「うん、そうだと僕も思う。
……で、静雄?
何処に向かおうとしているの。」
「さっきの仏間。」
「止めてくれ。」
四人はあれから少女がいつ出現するか分からない恐怖に怯えながらも屋敷の中をさ迷っていた。
そして、自然と前に歩いて先導していた静雄の足が先程の事件があった仏間に向かっていた三人が静雄を止めようとしていた。
「なんでだよ。」
「さっき殺人現場が起こった場所なんだよ!?
普通入る!?
…それに死体があるし。」
「だって、あそこに何かあるだろ。
男が探していたの気になるし。」
「その根拠は?
静雄。」
「勘。」
『……………。』
その言葉に呆れたのか三人は同時に肩をおろしてため息をする。
「?」
「…まあ、静雄の言う通り、あそこに何かあるかもしれない。
探してみるか。」
四人は仏間へと入るが、あることに気付く。
殺された男の死体がなかったのだ。
その代わりに、
「なんだ、コレ。」
男が倒れていた場所には血と共にススのような黒い汚れが染み付いていたのだ。
「…スス、かな?」
闇医者を目指す新羅が黒い汚れに指で触れてみるが、指に汚れはついていなかった。
ふと、臨也が呟く。
「ねぇ、その黒い染み…
人の形してない?」
「…確かに。」
死体があるはずのそこに代わりに出た黒い染み。
「まるで、殺された男の死体の形が黒い影になって消えたみたいだね。」
「…消えたといえば、あの女の子も消えたよな?」
「うん。」
「……生きている感じしたか?」
「…全然。」
「…何者なんだろうね、あの子。」
新羅が真面目な顔で考えていると、
「…ぁ。」
『?』
静雄が黒い影の側に落ちていたものを拾う。
それは梅の赤いツヤを出したおはじきだった。
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