短い物語
□砕かれ果てるは蝶か
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艶やかに咲き乱れ、甘い香りを放つ華。
甘い蜜に誘われて、群がるの蝶。
滴を垂らす、細い糸を紡ぐ毒々しい蜘蛛。
絡め捕られ吸い付くされ、果てるは華か?
砕かれ舞い落ち果てるは蝶か?
今宵も存分に喰らってやろう。
昼に負けぬ満月が夜の華を咲かせる。
───さぁ、宴の始まりだ。
少年の白い脚が誘うように開き、己が性器を扱き出す。
手淫。
まだ幼い手が溢れる蜜を絡ませながら、竿を愛撫する。
卑猥。
艶やかにゆっくり欲を吐き出し、起立する性器さえ美しい。
舌で唇を舐め涎を垂らし、貪るように視線を這わす男達。
視姦。
見詰められる快感に、少年の腰の辺りが疼き始める。
上下する指に合わせ下肢を立て己が腰を振り出す。
扱く動きを早め、絡める指に力を込める。
追い立てられるように、
欲望の赴くまま快楽を貪る。
下肢が痙攣し、細い背中が反り、珠のような汗が腰を撫でる。
「あっ!!あぁん…ぁぁぁ」
熱く迸る精気が、雄の欲望が一気に撒き散らかる。
青臭い匂いを放ち、己で快楽を汚し蹂躙する。
熱に浮かされ荒く呼吸する少年の白い胸。
だらりと力なく倒れる姿は怪しく厭らしい。
果てた身体をゆっくり起こし、欲情に濡れた蒼い瞳が誘う。
「はやく来て」
紅く熟れた果実のような少年の唇が男達に甘く囁く。
淫乱。
白濁に濡れた指が怪しく手招きする。
柔らかな尻を突きだし、誘うようにゆっくり下肢を立てる。
我を忘れた男達が欲情し、少年の白い身体に覆い被さる。
溢れる蜜を貪る蝶のように。
少年は歓喜の声を吐息に混ぜて、熱く吐いた。