短い物語
□溢れる光の中で
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森の奥で木々の隙間から注ぐ光は、金色の髪を美しく輝かせている。
サワサワと葉を揺らすその風に、柔らかい髪は優しく撫でられる。
「……せ…せぃ…」
微かな寝息とともに、小さな寝言が溢れ落ちる。
金色の少年は大木に抱かれるように眠っている。
緩やかな息づかいから、まだ眠りは深いようだ。
━━溢れる光の中にあなたはいた。
白い何もない空間に独り佇む。
眼に入るのは白と光のみ。自分の姿さえ、光にとけてしまいそうだ。
眩しい。でもあたたかい此処は…どこだろうか…
「ナ〜ルト、
そろそろ起きないと、ね」
優しく髪をすくいながら、細く長い指先がナルトの頭をを撫でる。
━━気持ちがいい…もっと、もっと、撫でて…
夢うつつ。夢見心地。
どんな言葉にも表現できない。心地好さ。
溢れるよいな優しい感触。
髪に感じる指使いが、もっともっと欲しくて。
ナルトは甘えるように囁く。
「も…もっと…
…カ…カシ…せんせ……」
「仕方ないねぇ。あと少しだけ…ね、ナルト」
クスクスと笑ながら、カカシは優しく髪を撫でる。
そして、指先に金色の髪を絡めながら口付ける。