短い物語
□時雨
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蒸せかえるような暑さ。
草木は青々と葉をひろげ、太陽の光をたくさん浴びる。
生命の息吹が溢れる。
そんな季節がやってくる。
バシャッ!!
バシャッ!!バシャッ!!
バシャッ!!
暑さに耐えかねてナルトは川に入る。
任務中だというのに、水音を盛大に上げる。
バシャッ!!
バシャッ!!!
「冷たくて、気持ちいいてばよ」
ニカッと白い歯を見せながら豪快に笑う。
青空に負けないくらい透き通った眼は、さんさんと降り注ぐ太陽を見つめた。
そんなナルトに溜め息混じりの声がかかる。
「ナルト、お前ねぇ…」
眉間少しシワを寄せながらカカシは呆れたように呟く。
「まだ任務中でしょ。ね?」
「だってよー。暑くて任務に集中できねーてばよ」
プイッと顔を反らして、ナルトは腕を組む。
「まー、お前の言うことも一理ある。でもこれも修行だと思ってさ?頑張りなさいよ」
「カカシ先生ばっか、
ズリーじゃんか!!ズリーじゃんか!!
本読んでるだけのくせにー!!」
人差し指をカカシに向けてナルトが大きく叫んだ。