長い物語

□約束
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カカシ、忍とは掟やルールを守ることが大切だが、それだけではないのだ。

いつか、いつかお前にもわかる。
だから…約束をしよう。

優しく頭を撫でながら、父さんが言った言葉。

あれは何時の日の事だろう…。
約束とは…何だったろう。

父さん…懐かしくて胸が痛む。

涙もろい左目から一粒流れ落ちた。




───第三次忍界大戦。

神無毘橋の戦いで、親友のオビトを失ったオレに先生が話してくれたこと。

「カカシ、オビトはね。
君のことを認めていたんだよ。
────心から。
だから、君に写輪眼を託したんだ…カカシ、君は生きなさい」

優しく頭を撫でながら、先生が言った言葉。

父さんが重なって見えた。

だから、約束をしよう。
カカシ、お前は生きなさい。

約束…。

「約束します。先生」
「約束か、君らしいね」

優しく微笑んだ先生が言葉を続ける。

「オレも約束をしよう。カカシ」

ニッコリ微笑んだつもりだったのに、涙もろい左目からいっぱい雫が溢れる。

「うっ……く……」
「今は忍じゃない。ただの人として泣きなさい」

嗚咽を漏らしながら震える肩をそっと先生が抱き寄せてくれた。



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