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□迷探偵たぬき
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 「では、早速取り決めたいと思う。んじゃあまずは右から言ってもらおうかのう」

 そう言って村長が指さしたのは、切れ長の目をした狸である。

 この切れ長狸、村ではモテるようである。彼を見たものは誰もが一目で恋に落ちるとかなんとか。

 「私は医者になりたい。皆が病気で辛い時、私の手で救ってやりたい」

 とてもキザなやつだが、それが彼の本心なのだ。案の定、女狸からは歓声が上がっている。

 「実によろしい。村一番の医者に教えを請うがよい」

 「はっ」

 そう言ってキザ狸はその場を離れていった。ついでに女狸の何匹かもついていった。

 「うーん、モテモテうらやましいなぁ」

 おっとり狸が言った。
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