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□ユウスケ(仮)
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彼を知るものは誰もいない。
だが、彼は自分を知っている。
彼女を知らないものはいない。
だが、彼女は自分を知らない。
そんな二人の物語。
僕の名前はユウスケ。高校生である。
高校生ではあるが、学校にはいかずにずっと家にいる。いわゆる不登校である。
不登校になったきっかけは特にないのだが、勉強がめんどくさくなったということにしておこう。
今日もすることがなく、ただ家でパソコンの前にいる。
「なにか起こらないかなぁ」
と一人つぶやいてみるのだが、この地球上にそんな奇跡的なことなど起こるはずもない。
起こったとしてもせいぜい犯罪的なことである。神の力より人の欲望のほうが大きいのだ。