見上げた空は…
□四年生の時の出来事、
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過去の話をしようと思う
四年の時の話‥
『ハァ…ハァ…』
手裏剣、苦無、千輪、色々試してみたけどなかなか自分に合う武器がなかった。
今度、山田先生辺りにでも相談してみようかな…
先程使った苦無の土を払い、木の根元へ座り込んだ。
くのたまの先輩方は自分の専用武器を見つけている。私にはコレ!っていうしっくりくるものがない。
そんな時、奥の方から微かに物音がした。
気になり、音がした先に行ってみると 一人の忍たまが立っていた。
忍び装束は濃い青の色で、私よりひとつ上なんだと分かった。
その人は手に縄を持っている。その縄の先には何かついていた。あ、これは縄縹だ。雑学だけの知識だけど、絵も見たことあるし間違いない。
その忍たまが振り返り此方を見た。顔には傷があり手には包帯が巻かれている。練習中だろうか。
咄嗟にお辞儀をし、謝った。
『‥失礼します!ごめんなさい!!‥えと、少し‥見ていきたいんですが…いいですか?』
ポソポソ話しているらしく聞き取れないけど、首は縦に振られたので了承ということでいいのか。
木々の葉が擦れる音しか聞こえない静かな場所。
縄縹をヒュンヒュン鳴らして回している先輩。目は前方の方にある木を見ている。
回しながら 標的に狙いを定めているのか。凄い‥難しそうだ。
―シュッ…ストッ
縄縹の先は木に刺さっていた。細い幹へ見事に真っ直ぐ。
私は自然と拍手をしていた。
それはとてもキレイな光景でしばらく放心していたくらい。
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