見上げた空は…

□へんてこ追いかけっこ
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あれから 幾日が経ち、新しい生活にも慣れてきたこのごろですが…



「あれぇ?どこ行ったんだろー。」


そう言った少年のあれほど 真新しかった水色の制服は既にすこし楠んでいた。


今日に限っては土や木の葉がついている。


黒い布を首に巻き付けているのが特徴的な彼は誰かを探していた。


「早く見つけないとバイト代が…ブツブツ」





木の陰 から様子をみるのは お馴染みの私、ミカンです。


そもそも、なんでこんな事になってるかというと、



「ミカン先輩!バイト手伝ってくださぁい!」


図書室へ通っていたら委員会のきり丸君に なつかれて、ある日いきなりそう言われた。いや、なんで?


でも、ウルウルと目を潤ませている後輩には断れない。だが、私だって伊達に五年くのたまをしているわけではない。


『んー…いいよ。』

「ほんとっすか!?やりぃ!」

目を銭の形に変えて喜んでるとこ悪いんだけど …

『ただし、私を捕まえられたらね。あ、先輩一人なら助っ人頼んでいいから!』


「…え。」

『じゃあ!』シュバッ


私の俊足舐めたらあかん!フッへッへ!







こうして 始まった鬼ごっこ(?)ではあるが 先程まではきり丸君の行動を確認していないので誰が助っ人になったか全く分からない。



あれだろうな、きり丸君なら図書委員長の中在家先輩だったり…いや、 そうみたいだ。なんか 後ろから気配がする。



『やっぱりなぁー、頼るとしたら委員長だろうなぁ』


「……何がやっぱりなんだ。」


『助っ人ですよ。きり丸君の。頼まれたからここにいたんじゃないんですか?』


中在家先輩は 手のひらを横にふり、違うと呟いた。


「……ここで、読書をしていた。だからその事は知らない。」


『へ?じじゃあ、きり丸君の助っ人は誰が…。』

間抜けな声がでて、慌ててきり丸に目線を戻せば そこには何故か七松先輩がッ!予想外なんですけどもー。


「きり丸、鬼ごっこなのか?!私もやりたい!というかやる!ミカンを捕まえればいいんだろ!?よーし、いけいけどんどーん!!」

「七松先輩!!助っ人はもう頼んだんで!って…既にいない…」



な ん だ と !?


七松先輩じゃないなら誰が助っ人なんだ…


というか なんで…五年生と四年生まで集まってくるのか!!


なんだ!みんな参加者なのか!!いや帰れ!!これ鬼ごっこちゃう!きり丸君との追いかけっこや!!


あ…れ?


不破君がいない?一人だけ?


って事は…不破君は不参加決定!!?


よし、味方につけよう!


いざ、不破君のとこへ!





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