middle school


□手つなぎと思い
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わずか数センチの至近距離を歩くと自然に手と手が触れ合う。

そのたびに二人はうつむいて少し離れる。
花火大会の終わった後の駅への道は人があふれるほどいて、とてもむしむしとしている。

「あのさ、水川。」
そんな中口を開いたのは左に立つ男子だった。

「んー?」
花火が打ちあがっている間はとても盛り上がっていた会話も今では一言ずつのやり取りだ。

その弾まない会話に話す気をなくしたのか、男子は「やっぱりいいや」と口をつぐむ。

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