小説

□さくらんぼ
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するりと帯がほどかれる。
人払いのされた幸村の屋敷の寝室で、二つの影が重なる。
「五右衛門、や、やはり…」
「ここまできて何を言ってるんすか」
組みしかれた幸村は戸惑った表情で、五右衛門の腕をつかむ。
「優しくしますから」
しかし柔らかい笑顔で言われ、幸村は言葉につまってしまう。
だが、幸村にとっては初めての行為だ。

知識としては、衆道というものをしってはいるが自分がその立場になるとは思わなかった。それも組みしかれる側である。
戸惑う幸村をよそに、五右衛門はあばいた幸村の体を見て驚いた。
思っていたよりも薄い体だ。
食事もまともにしていないのだろう不健康な体。
力を入れたらおれてしまいそうな体に(実際関節はよくはずれるが)心配になる。
体をなめられるように見られ、幸村は耐えきれなくなったのか、体を反転するとそこから逃げだそうとする。
「はいはい。逃げないでくださいねー」
「っ!」
しかしあっさり阻止され、うつ伏せにされる。
そして五右衛門は着物をめくると幸村の臀部に香油をたらした。
ひやりとした感覚に幸村は体をふるわせる。
「大丈夫っすよ、源二郎様。自分結構うまいんで」
なにが、という言葉は嬌声に変わった。


ぐちゅり、と水音が響く。
そのいやらしい水音に幸村は四つん這いのまま布団にすがりついた。
幸村の蕾には三本の指が刺さっていた。
初めての行為である幸村に恐怖を与えないようにと、五右衛門がそれはもうじっくりと時間をかけてほぐしたのである。
長時間にわたる愛撫のせいで幸村はもうすっかり表情がとろけていた。
すでに前立腺を何度もその長い指でこすられ、幸村の雄はゆるりと立ち上がっていた。
「そろそろいいっすかねー」
ぐちゅぐちゅと中をこすりながら、五右衛門は一人つぶやく。
「…ずいぶんと慣れているのだな」
嫌みのつもりで言ったのだが、五右衛門はそれを笑顔で受け止めた。
「大丈夫っすよ、コレはこれから源二郎様専用ですから」
コレ、と言われ何のことか、と振り返って幸村は目を見開いた。そして後悔した。自然と体が後ずさる。
なんというか、その、大きすぎる。
思わず五右衛門の下半身のそれを凝視してしまった幸村を、五右衛門は楽しそうに笑う。
「コレが今から源二郎様に入るんすよ」
あてがわれた熱に幸村は逃げ出したい気持ちでたくさんになっていた。
こんなもの入れられたら壊れてしまう気がした。
そもそもこんな太いものを入れる行為など無理なのでは?
「む、無理だ!」
「大丈夫っすよ。こんなにならしたんだし」
「は、入るわけがない…っ…や、怖いっ」
やはり怖い。未知なる行為に逃げ腰になり、四つん這いでそのまま逃げようとする。が。
「どこ行くんすかー?」
「ひっ」
足を捕まれ、引きずり戻される。
どうにかして行為をやめさせたいと、制止しようとした瞬間。
「うあ、あっ、あ」
ぐぐ、と五右衛門の雄が中に押しはいる。
「ひ、う…う、まってぇ…」
「待てないっす」
圧迫感からやはり無意識に幸村は逃げようとする。
しかし五右衛門は腰をしっかりと掴むと位置を固定してしまう。
「あ、あ、…ううっ…苦し、まっ」
必死にシーツを握りしめる。
「源二郎様、力抜いてください」
「む、りっ…うううう」
経験したことのない内側からの熱さ。力を抜けと言われて抜けるものではない。
埒があかないと思ったのか、五右衛門はそのまま幸村の腰を思い切り自分に引きつけた。
「うううーっ!!」
衝撃が走る。
「はあ…入った」
「っはあ…はあ…うう…」
「大丈夫っすか?痛くないっすか?」
「い、たくない…けど…苦しぃ…熱い…あ」
ぐちゅり、と音をたてて、雄が動く。
「きついのに絡みついてきますよ。名器ってこういうのをいうんすね」
「し、知らぬっ…そのようなこと…申すな」
「初なフリして、源二郎様ってすっごいやらしいんすね」
「や、やぁっ」
手を押さえつけ、逃げられないようにしながら耳に舌をさしいれる。
羞恥心をあおる言葉をかけられ、幸村は顔を赤くして必死に耐える。
「動きますよ」
「ま、まだっ無理っ」
「源二郎様に合わせてたら朝になっちゃいますから…それに自分もきついっす」
ぬちゃり、と出し入れが開始される。
「あうっ!っ!っぁ」
「もっと声、出していいんすよ」
「っ、!う、くう…う」
「ほら、源二郎様。もう我慢できないんじゃないっすか?」
「っ…うる、さい…」
意地だ、といわんばかりに幸村も唇をかみしめる。
顔を真っ赤にし、必死に声を耐える幸村をみていると、少しはこの人をいじめるあの男の気持ちもわかる気がする。これはいじめたくなる。
「強情っすねー。イヤだって態度とられたらこっちもやる気になりますよ」
「ひあ!!!」
挿入したままの状態でうつ伏せから仰向けにされてしまう。
あまりの衝撃に幸村は声をあげた。
そしてそのまま幸村の片足を肩にかつぎあげると、五右衛門は体重をかけて更に奥まで雄を押し込んだ。ぷちゅちゅ、と塗られた油の卑猥な音と共に最奥まで雄が押し込まれる。
初めて届く最奥の感覚に幸村は体をふるわせる。
更にそのさいかすった前立腺に思わず幸村は声をあげた。
「ひううっ…!!」
びくん、と体がはねる。
「源二郎様は、ココが弱いんすよね?」
楽しそうに五右衛門は執拗にそこをせめたてた。
「…っんん!んっあ!」
「ほら、もっと、声出したらどうっすか?」
「はぁうっ!あっやっ、待っ」
一度漏れてしまった声は押さえることができなかった。激しく体を揺さぶられ、幸村は息も絶え絶えに、悲鳴をあげる。
「ああっ、あっ!あうっ!」
苦しい。初めて受け入れたそれに痛みはまだある。しかし痛みよりも快感に押し流されてしまう。
「どうっすか?気持ち、イイっすか?」
もうまともに言葉を紡ぐことができないのか、こくこくと必死に首を縦に振る幸村。
「かわいい」
「!」
小さく口づけられ幸村は赤面した。
「それと源二郎様、手はここ」
シーツを握りしめたままだった手を優しく包むと、五右衛門はその華奢な腕を自分の首に回した。
必死に五右衛門にすがりつく
「爪、たててもいいっすから」
「っごえ、五右衛門っ…ごえもんっ」
舌っ足らずに自身の名前を呼び続け、すがってくる幸村に五右衛門は愛しさがこみ上げてくる。
「源二郎様っ」
お互いに名前を呼びながら、五右衛門は最奥に熱を放った。




「はー…気持ちよかった」
「うう…」
すがすがしい顔をしている五右衛門とは対照的に、幸村は布団に顔をうめ、呼吸を整えていた。
あまりの激しさにとてもじゃないが幸村の体力は限界だった。
「でも気持ちよかったでしょ?」
「っ…」
一気に顔を赤く染めて幸村は言い詰まる。
そして、恥ずかしそうに小さくではあるがこくりとうなづいた。
「っ」
そんな顔をされてしまったら…
「ん?」
下半身に熱を感じて幸村は振り返った。
すると、下半身をつかみのしかかろうとする五右衛門がいるではないか。
「ま、待てっ、もう終わったではないか!何をっ」
あわてて制止する幸村だが、
「だってほら源二郎様がかわいい顔するから」
「もう無理だ!」
逃げようとしても腰はしっかりと捕まれている。
青ざめる幸村に五右衛門は楽しそうに笑った。
「さあ、かわいくないてくださいね」



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五右衛門はスマートにリードしてくれそうだと思う。
それにテクニシャンだよね絶対!
幸村は兄上に調教されていそうだけど五右衛門が初めてでもいいんじゃないか。と今月の更新をみて思った結果がこれだよ!

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