頂き物

□竜達の水泳教室(彼方様からの頂き物)
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本日、孤島のエリア10に珍しいお客が来ていた。

「さて、ガノトトス。
喜べ、ここの阿呆な管理人が尊敬しておりイラストにハートをわしづかみ&粉砕されてしまったサイト様である『真っ白な柩』からわざわざお客様が来た。
ほら、お食事とお菓子とお茶をお出ししろ。」
「ただいまお持ちします。」
簡易だが大きいテーブルを出してガノトトスは奥に引っ込んだ。

「ウニャー、ラギアクルスさん。
ありがとうございますニャ。」
「あ〜、お構いなく。
僕達泳ぎを習いにきただけだから。」
「なら、俺によこせ。
腹が減ってるんだ。
全部食ってやる。」
彼等は余所からはるばる泳ぎを習いに来たジンオウガにアイルーにイビルジョー。
しばらくするとボウル並の大きさの丼とフォンデュセット、ドリンクを乗せたかーとを押しながらガノトトスが戻ってきた。
「お待たせしました。
イビルジョー様には孤島で取れた厳選茸とドス大食いマグロとエピオスのキモをピリ辛に味付けした後のガーグァの卵で閉じたピリ辛丼と熱い玄米茶でございます。
おかわりも一応三杯程用意してありますがいかが致しましょうか?」
「…土産も頼む。」
欲望に素直なイビルジョーだった。
「わかりました。
お土産はエピオスとナマズ型魚類のキモの包み焼きでございます。」
「イ、イビル。
ほら僕達水泳を習いに来たんだよ?
食事しにきた訳じゃ無いんだから。」
「だんニャ。
イビルには言うだけムダニャ。」
「ジンオウガ様は肉がダメと伺っておりましたので、特選茸のロイヤルハニーデュフォンを御用意させていただきました。
お口に合うとよろしいのですが…。」
「うわぁ、有難う。」
「少しよこせ、ジンオウガ。」
「うん。
…美味しいっ!」
「アイルー様にはマタタビを少量ブレンドしたハチミツミルクです。」
「ありがとですニャ。」
「しっかり腹拵えしなきゃへばるからな。
ガノトトス、サンキュ。」
「いえ、失敗しなくて良かったです。」
失敗することがあるらしかった。


さて食事も終え(若干1名程空腹そうだったが)いよいよ水泳教室が始まった。
「泳ぐときは必ず準備体操をしてくれ。
アタシ達は水の中で呼吸出来るから問題無いけど、ジンオウガ達は出来ない。
出来るだけ万全の備えをして始めてジィちゃんに挑めるんだ!」
「ニャ、ガノトトスさん。
ジィちゃんってだれ?」
「大海龍ナバルデウス様です。
古龍種で海のジエン・モーラン様と言った所ですかね。」
「お酒いっぱい呑むの?」
「いえ、のまれません。」
「あいつらのようにウザくなければなんでもいい。」
「ウザさの種類が違いますがウザい事には変わりません。」
「というわけで、今日の特別講師にジィちゃんを呼んでみました。」
「始めましてじゃな。
ワシはナバルデウス。
以後、よろしく。」
「えらく軽いノリの爺さんだな。」
「泳ぎのスペシャリストですよ。」
「よろしくお願いします。」
「良い返事じゃな。
ラギアクルスにも見習わせたいのう。」
「無理、肩がこる。」
「諦めるのとノリが軽すぎるわい!」
「いってぇぇっ!」
「すごいいりょくのゲンコツニャ。」
「畜生っ!」
「フンっ!
ならば3人ともワシから逃げ切れ。」
「は?」
「へ?」
「ニャ?」
「絶体絶命の時に才能は開花する!
何、ラギアクルスとガノトトスを待機させるから溺れても死ぬことはないじゃろ。」
「本気だよ、このジィちゃん。
年甲斐も無く超張り切ってるし。」
「頑張って下さい。」
「え?
ちょっ、ちょっと待って下さい!」
「時は金なり、またんぞ!」
「チッ、いくぞ!」
「ウニャー!」



さて色々とやる気満々なナバルデウスの超実践的特訓からなんとか生還したジンオウガとアイルー。
案の定と言うかデフォルトと言うべきか、途中でイビルジョーはへばってしまいラギアクルスに救出され、ガノトトスにとれたてな魚と肉をこんがり焼いて貰い食べていた。
「ふむ。
まず合格かのう。
水中で襲われても逃げる事が出来るぞ。
2人とも飲み込みが早くてやりやすかったわい。」
「あ、有難うございました…。」
「たいへんだったニャ…。」
「明日は筋肉痛だね、アイルー。」
「ウルたちに今夜マッサージしてもらうニャ。」
「お疲れさん。
しっかり寝る前に筋肉痛の備えしとけよ。
後、これお土産。
ダチの証だ。」
「これは?」
「海王の大竜鱗だ。
あんまり無いがなんか貴重らしいからダチの証に渡そうって思ったんだ。
迷惑じゃ無かったら貰って欲しい。」
「迷惑じゃ無いよ。
有難う、大切にするよ。」
「よかったねダンニャ。」





つらくも楽しい時間と言うものはとても早く流れるものだ。
そろそろジンオウガ達は渓流に帰らねば心配をかける人達がいる。


「お世話になりました。」
「ありがとうですニャ。」
「土産、ありがとな。」
「また来て下さいね。」
「待ってるからな。」

出会いが有れば別れもある。
竜達の数だけそれがある。
彼等は名残惜しさを感じつつそれぞれの帰るべき場所へ帰って言ったのであった。






→その後のオマケ
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