先生だって好きになる
□B
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翌日
俺はいつもより早く自分の教室へと向かった。
向かう途中、数名の生徒とすれ違う事があったが、まだ華浪は学校に来ていないようだ。
ようやく教室につき、自分の所に座り込むと教室を見渡した。
たわいもない話で盛り上がっている生徒達がいるが今だに華浪は来ていない。
昨日は分かったと言っていたがやはり忘れしまったのだろうか…
時計をみると登校時間の10分前になっていた。
焦った自分は教室をでて下駄箱へと向かった。
学校が大きければ生徒数も多い、玄関は登校してくる生徒でにぎやかになっていた。
果たして華浪の靴はあるのだろうか…少し不安があったが、焦る気持ちを抑えゆっくりと下駄箱の中を覗きこんだ、しかし華浪の靴はそこには無かった。
たまたま珍しく早く来た生徒が連続して来るはずもない。
期待していたのだろうか、なぜか自分は寂しい気持ちになった。
今まで自分は生徒にこんな感情を持った事はない。
不思議に思ったものの、自分には教師としてやるべき事があったため職員室へと向かう事にした。